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【ネタバレ有り】映画『テネット』感想

 

 

前提

 前提として、視聴したのはIMAXで1回のみ。原則として、自分は少なくとも映画上映期間に再度みることはしないので、今回もしない。また、事前にいわゆる「ネタバレなし」の映画紹介、レビュー動画を見て臨んだ。その際、どの動画にもあったのが「展開が早いので、考えているとおいていかれる。」「考えるな、感じろ」というものだった。

 ちなみに「考えるな、感じろ」は、ブルース・リーの映画の有名なセリフだが、原語は”Don’t think, feel!”であり、テネットでも同様の表現が出てくるので、ブルース・リーの真似ではない。ただし、恐らくテネットは”Don’t understand, feel”と言っていて、「理解せんでも感覚的につかんでくれたらええよ」という意味である。そういうわけで、あまり考えずに見ることにした。

 今回は、あまり良い良くないの基準で感想が書けなかったので、思ったことをトピックで書こうと思う。

 

概要

ダークナイト』シリーズ、『インセプション』『ダンケルク』のクリストファー・ノーラン監督が、時間が逆行するゲーム性をリアルに描き、あなたの常識を一瞬で吹き飛ばす。主人公のミッションは、人類がずっと信じ続けてきた、〈時間のルール〉から脱出すること。時間に隠された衝撃の秘密を解き明かし、第三次世界大戦を止めるのだ。ミッションのキーワードは〈TENETテネット〉。「その言葉の使い方次第で、未来が決まる」。突然、巨大な任務に巻き込まれた名もなき男は、任務を遂行する事が出来るのか!?7か国を舞台にIMAX®カメラで撮影、驚異のスケールで放つ極限のタイムサスペンス超大作!

 

 

感想

展開が早いのは確か

 前評判通り、展開が早い。何が早いかというと、スパイ映画の場合、ミッション遂行のためのメンバー集めとブリーフィングがあるのだが、メンバー集めのシーンは0といってもいいし、ブリーフィングも非常に短い。視聴者に「現場で見て覚えろ」と言っている感じがする。

 

「時間逆行」は、そこまで深く考える必要はない

 この映画の筋自体は、そこまで複雑ではなく、最終目標が、世界の破滅の阻止であって、それを遂行しようとする悪の組織がいて、阻止のために「AのためにBをする必要があり、そのためにCをする」という数珠繋ぎのミッションをするだけだ。

 で、その悪の組織の武器が「時間逆行」であって、「回転台」をくぐると、自分が現在から過去に逆行することができる。タイムマシンと異なり、時間の絶対値は変わらず、逆行者と順行者は同時に存在できる。本作品では、それを利用して、逆行者と順行者が複雑にアクションを展開していく作りになっている。時間がからむため、そこにいる人物が順行者か逆行者か、それによって、次の展開がどうなるのかが非常にわかりづらくなっている。ここは、ネタバレ解説動画でも見ないと、何が起こっているのかわからないだろう。

 ただ、この「時間逆行」を単なるアクションのギミックだと考えれば、そこまで中身を知る必要が無い。順行の車と後ろ向きの車のカーチェイスが面白いなーくらいでよくて、「この時の後ろ向きの車はどこからの逆行なのか?」とか考え始めると、とたんについていけなくなる。

 

「時間逆行」を除くと平凡に感じる

 「時間逆行」を単なるギミックだと思うと、ドウェイン・ジョンソンヴィン・ディーゼルが出ているようなスパイ・強盗映画とあまりストーリーが変わらない。どれだけ重厚な音楽で包もうと、アクションがそれより地味な分、「うーん?」と首をかしげてしまう。

 

最後の戦闘シーンは意味不明

 最終局面は、敵の拠点にTENET(味方組織側)の部隊が攻め込むのだが、順行部隊と逆行部隊で挟み撃ち作戦をするのだが、それの効果も不明だし、実際の戦闘シーンも意味不明。今がどちらの視点か分からず、お蔭で肝心のアルゴリズムがある洞窟での戦闘シーンも何が起きているのか分からなかった。結局、後ろ向きに進む部隊と一緒に進軍して、後ろ向きに退却する部隊と一緒に退却するだけで、戦力は全く変化無いんじゃないか?

ニールは常時良い人

 主人公のメインパートナーに「ニール」とう人物がいるのだが、これが本当に良い人で、(後で理由は分かるが)、とにかく献身的に主人公をサポートしてくれる。最初の登場シーンで、主人公と知り合いかと思ったがが、設定上は初対面だった(ここもなぜ知り合いっぽいのかは最後に分かる)。この人物が、色々と手配してくれて動いてくれたから、主人公は助かっているし、視聴者としても、何とか映画の展開に追いついていける。

 

他にも疑問点をいくつか

 

・TENETの部隊は、逆行者と順行者がどちらもいて、お互いの訓練の様子もあったが、どうやって訓練時間を合わせたのか?また、回転台は敵組織だけてなく、TENET側も持っていたということか?それなら、なぜキャットをオスロの回転台まで持っていったのか?

第三次世界大戦じゃなくないか?世界大戦というのは国と国が争うことだが、今回の敵組織の目的は、すべてを逆行させて世界を破滅させることであり、「大戦」というワードが合わない。

アルゴリズムの開発者は味方か?敵か?アルゴリズムの開発者は、この機械は危険だから過去にバラバラにして送ったのだが、一方で、敵のセイターを支援しているようにも見える。

マイケル・ケイン要る?

 

複数視聴が必要な映画はやはりどうか?

 映画は大人1人1.8千円、TOHOシネマやらIMAXやらならさらに上乗せ料金と、安くないにも関わらず、1回で理解できない映画を作るのなら映画館で上映しない方がいいんじゃないかと思う。少なくとも、2回目半額くらいつけてほしい。この映画、監督のクリストファー・ノーランが劇場公開にこだわったという話も聞くが、独りよがりと思った。

 

1回で終わらせたい人は、ネタバレ解説動画を見てからにしよう

 この映画、特に大きなどんでん返しがあるわけではなく、「前半のあのシーンが最後に、こういう意味があった」といったような程度のものである。その場合、1回見ただけだと、最初のシーンの記憶がおぼろげになるので、「こういう意味があったらしいけど、前半はどんなシーンだったっけ?」みたいになる。なので、最初からネタバレ解説を見ておいて、「お、このシーンが最後であのようになるわけだな」と思いながら見た方が良いと思う。さらに、この映画は展開が早いため、逆に最初から結末までのあらすじを理解しておく方が楽しめるだろう。

 

総評:見方に失敗したか

 ツイッターで感想が「無」にならない映画だろうと書いたが、実は感想自体は「無」に近く、あまり記憶に残らない作品となってしまった。今回はネタバレ動画を見ずに見たのだが、予め見ておけばもっと感想を持てたかもしれない。