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【ネタバレあり】映画モータルコンバット感想

 

 

今回は6月に公開された『モータルコンバット』の感想を書こうと思います。

 

映画『モータルコンバット』オフィシャルサイト | 絶賛上映中! (warnerbros.co.jp)

 

 

 

 

あらすじ

情け容赦ない無慈悲な物語。

胸にドラゴンの形をしたアザを持つ総合格闘技の選手<コール>は自らの生い立ちを知らぬまま金のために戦う日々を送っていたが、ある日、魔界の皇帝が<コール>を倒すために放った最強の刺客<サブ・ゼロ>に命を狙われる。<コール>は家族の危険を察知し、特殊部隊少佐<ジャックス>と女性戦士<ソニア>と合流。地球の守護者<ライデン>の寺院を訪れる。そこで太古より繰り広げられてきた世界の命運を懸けた格闘トーナメント“モータルコンバット”の存在と、自らが魔界の敵たちと戦うために選ばれた戦士であることを知る。コールは新たな仲間たちとともに、自らの秘められた力を解放し、家族、そして世界を救うことが出来るのか?(公式サイトより)

 

筆者の前提知識

このモータルコンバットという映画は、アメリカの格闘ゲームの映画版です。アメリカでは人気シリーズで本編だけで11作も作成されましたが、その残虐描写から、日本では発売されていません。筆者も輸入盤を買うほどのファンではありませんが、10や11のストーリーモード、格闘シーン、フェイタリティ*1youtubeで結構見てますし、キャラクターも大体わかります。そもそも最初のシリーズのモータルコンバットも大好きでした。日本人の中では知っている方だと言えるでしょう。

 

 

1.良かった点

①原作再現度が高い

 とにかく必殺技を始めたとしたゲーム版の再現度が高かった。例えば、サブ・ゼロが氷の壁を作って相手をそこに投げ飛ばす技、リュウ・カンがドラゴンの炎で相手を喰らう技、カノウの目からビーム、クン・ラオが帽子を戻した時にツバをクイッと回転させるくせ、カバルの鉤と残像付き高速移動などなど、ゲーム版を知っている人なら納得の再現度で、ここ最近のゲーム原作映画では、『モンスターハンター』よりもレベルが高い。もちろん「Your soul is mine」*2や「Get over here」*3も聞ける。

 

②キャラクターの個性が際立っている

 まずは原作でも人気キャラのスコーピオンとサブ・ゼロ。スコーピオン役に真田広之を使ったのは和のテイストを強調するためで、これは成功した。チェーンを使った格闘スタイルは、やはり非現実的な感じはあるが画になっていた。サブ・ゼロのそのまんま冷徹な感じも敵の中ではぴか一だ。

 次に、リュウ・カンとクン・ラオのコンビ。リュウ・カンが滅茶苦茶イケメンで、ゲーム版ではどちらかというとモンゴル系の北方アジア人なのだが、映画版はアイドル路線になっている。クン・ラオは丸鋸になる帽子を駆使した戦い方で、地面で回転させた帽子に敵を突っ込ませて真っ二つにする技の再現度は高かったし、中国拳法っぽいせいか、動作そのものも再現度が高かった。

 それからカノウ。悪役なのだが今回は途中まで味方だし、人間くさくてとにかく憎めない。原作ではもっと悪党だった気がするが、ある種狂言回し的なアレンジが功を奏していた。

 

③キャラ数が丁度良い

 ジョニー・ケイジやキタナ、シャオ・カンといった原作では主役級のキャラはもっといて、本当はもっと出てくれた方が嬉しいのだが、そこは1作目ということでキャラを絞っており、結果としては丁度良いくらいに仕上がっている。

 

 

2.良くなかった点

①一部のキャラクターは個性が薄い

 まず主人公が映画オリジナルなのだが、こいつの影が薄い。家族持ちの賭け格闘技の選手だが、肝心のところで弱くて負ける設定だが、別に強い設定でも良かったんじゃないかと思う。そして、覚醒も遅い。この映画は中盤で自らの内なるパワーを覚醒するために修行するのだが、その修行でちっとも覚醒せず、敵のゴローが家族を殺しそうになってやっと覚醒する。覚醒すると金色の肌に密着するボディーアーマーを装着するのだが、これがものすごくカッコ悪い。

 次にシャン・ツンは、アジア系悪役だし、途中でクン・ラオに「Your soul is mine」をするからシャン・ツンだと分かるが、最初の恰好だと、古代中国の将軍にしか見えなくて、「誰?」だった。こいつ妖術師なんだが。そんでもってコイツ自体は格闘シーンが無い。

 ジャックスとソニア・ブレイドB級映画にいそうな軍人キャラって感じ。ライデンは浅野忠信だが、強いんだか弱いんだか分からない小言の多いお坊さん。

 

②格闘シーンの質は良くない

 なんというか全体的にもっさりしている。特にスコーピオンは無駄な動きが多いというか、真田広之がアクション俳優じゃないから仕方がないかもしれないが、気になる点だ。それ以外も、武器を持っているキャラと持っていないキャラの対決(カバルとリュウ・カンなど)はどうしようもないハンデ戦になっており、例え互角に戦っているシーンがあっても嘘くさい。主人公だって素手のゴローに勝ったのは、ボディーアーマー変形して腕から角見たいのを出して突き刺したからだ。これなら、香港のアクション映画の方が見ごたえがある。

 

総評

リブートの1作目としては、できる範囲で原作ファンの期待から大きく外さずに、よく考えて作られていたと思われる。なので次回作はもっと予算もキャラも増やしてより豪華なものを期待したいと思う(次回作を匂わせるような終わり方だったし)。

 

 

 

 

 

 

 

 

*1:相手を倒した際に追加で発動する残虐ムーブ

*2:シャン・ツンの必殺技のセリフで有名

*3:これもスコーピオンの有名なセリフ