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【ネタバレ有り】映画「ザ・スーサイド・スクワッド “極”悪党、集結」感想

今回は先日見てきた「ザ・スーサイド・スクワッド “極”悪党、集結」の感想を書こうと思います。この前のクレしん映画もそうでしたが、前作との対比が多くなります。公式サイトはこちら映画『ザ・スーサイド・スクワッド “極”悪党、集結』オフィシャルサイト (warnerbros.co.jp)

 

 

 

1.あらすじ

前作と同様、悪党が結成されたスーサイド・スクワッドが、今回はクーデターで反米政権が樹立されたカリブ海の島国に潜入し、目標物の破壊を目指す。ところがそれはアメリカが前政権を支援して極秘裏に研究していた宇宙生物「スターロ」で、最後は「スーサイド・スクワッド」VS「スターロ」の怪獣映画となる。

 

2.感想

前提ですが、筆者はバットマンとスーパーマン以外のDCキャラは詳しくなく、今作も「ハーレイ・クイン」くらいしか知りません。前作は劇場で観ていて、今作も劇場が観た後に動画サイトで再見しました。また、本作は吹き替え版で観ています。

 

良かったところ

①前作より作品そのものもキャラクターも極悪性が増している。

 キャラクターで言えば、例えば主人公格の「ブラッドスポート」は、前作で言えば「デッドショット」と同じ立ち位置であり、銃の名手であることや、一人娘がいることも一緒だ。ただ、「デッドショット」が娘を溺愛しているのに対し、「ブラッドスポート」は自分が悪人である負い目から娘を突き放そうとしている。また、後述するが「ブラッドスポート」は人間をこれでもかと殺している。その他のキャラも人を殺すことに関しては殆ど躊躇していない。

 作品的にも、前作は「エンチャントレス」という霊的な神?のような存在が敵で、倒す敵も人間ではなかったが、今回はカリブ海の島国の軍隊相手なので、これでもかと殺しまくるし、死に方もグロテスクだし、メンバー自体も死にまくるが、あまり悲壮感が無い。これは序盤で、最重要キャラだろうと誤認させたサバント含めた二軍部隊があっさり壊滅したり、後半で(比較的劇中で活躍した)ポルカドットマンがスターロの足を燃やした後にすぐに踏みつけられたシーンでも同様だ(全く悲しみがないわけではないが)

 

ハーレイ・クインが強い

 ハーレイ・クインについては、ジョーカーの愛人だったり、元看護士or医者?である設定はあるものの、特段個人として設定は無かったように思う。前作ではなんやかんやバットを持ったり、敵を欺く見せ場があったりしたが、あまり超人的な活躍はしていなかった。今作では、武器や武術の達人としてバッサバッサと敵をなぎ倒していくシーンがあり、しかもそれが非常に美しく描かれていている。なぜ彼女がこの部隊にいるのか?がこれで明確になった。

 

③アマンダ側の管理部隊の人間模様が描かれている

 今作はアマンダ率いる管理部隊の描写があり、冒頭の、スーサイト・スクワッドの誰が死ぬかの賭けをするシーン、後半でアマンダがスクワッドのメンバーの自爆スイッチを押すのを、殴って止めるシーンなどだ。前作もアマンダ含めた管理側のシーンはあったが、より人間的になっており、映画の中の薬味として飽きを防止してくれている。一方で後述のように彼らの無能っぷりも目立ってしまったが。

 

④グロテスク

 これは人によって好き嫌いあるかもしれないが、本作は非常にグロテスクだ、頭を銃で撃ちぬかれて大穴空いたり、焼死したり、食われたり、縦に真っ二つになったり、肉片がそこら中に飛び散る描写があり、最近の映画では非常に珍しいのではないだろうか。

 

⑤前作と比べて昼間の描写が多い

前作が夜のシーンしかなかったのに比べ、本作は昼のシーンも多く、単純に視認性が良い。これは前作がDCEU初期の(暴力的ではないが)ダークな感じを強調していたのに対し、本作がどちらかというと明るいコメディタッチで暴力を描いているせいだと思う。筆者としては単純に夜のシーンは画面が見にくくなるし、遠方の背景が不要な分「低予算」の印象があるので、昼間のシーンがある方が好きだ。これはゴジラでの「キングオブモンスターズ」’と「VSコング」や、パシフィックリム1と「アップライジング」で筆者が後者の方が好きな理由と同じだ。

 

良くなかったところ

①やはり悪者でないキャラが主役級にいる

 まず、「リック・フラッグ大佐」だが、これは前作からして悪党ではなく、リーダーとしてチームをまとめないといけないので仕方ないだろう。ポルカドットマンも過去の犯罪歴は良くわからないが、母親恐怖症以外では性格的に悪い人物ではない。最大の問題が「ラットキャッチャー2」で、ネズミの相棒とともに、生い立ちから朝が弱い設定から、みんな友達感情から、あざといくらいの天然可愛さアピールが過ぎて、メンバーの中で違和感が非常に目立つ。構成上、接着剤というか中和剤的なキャラが必要だったかもしれないが、結局スターロを倒したのも彼女のネズミ軍団だったのは戦力的にバランスが悪い。最初から彼女一人でネズミ軍団動かせばよかったじゃないかと思ってしまう。あと、日本語吹き替えだけかもしれないが、誰もが「キング・シャーク」のことを「ななうえ」と呼んでいたが、なぜだろうか?何か見逃したかな。

②アマンダ率いる管理部隊の能力が低い

 アマンダ・ウォラーは前作にも登場する冷酷無比な司令官で、今作は前作に輪をかけて恐い人物として描かれている。例えば「ブラッドスポート」の娘を死の危険にさらすことで彼を脅し、しかもそれがハッタリではないことを示唆している。それ自体は嫌われ役として非常に魅力的な設定だ。一方で、彼女率いる管理部隊の能力は非常にお粗末。「ブラッドスポート」がネズミ嫌いなこと、「ヴィーゼル」が泳げないこと等を把握していないこと、反政府勢力がいることを知らないなど、笑いのオチで使っている設定なのだが、アマンダが冷酷無比なキャラなのに対してあまりに杜撰すぎて冷める。そこは作品全体の笑いとアマンダのキャラ設定が齟齬があったように思える。

 

③キャラがマイナーすぎて名前が覚えられない

 「リック・フラッグ大佐」・「ブラッドスポート」・「ブラックガード」など、名前が似ていてややこしく、最後まであやふやな部分が残ってしまった。日本語吹き替えだったからかもしれないが、敵側の「ルナ将軍」や「スアレス長官」もどっちがどっちか分からなかった。わざわざ敵側のトップを「ルナ将軍」と「スアレス長官」の二人にする必要はあったのだろうか?

 

 3.全体感 

明るい暴力映画が好きな人にはお勧め。 ただ、粗が所々あるのと、「ラストキャッチャー2」にストーリー展開を依存していたのが惜しいと思った。