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【ネタバレ有り】映画「007 ノータイム・トゥ・ダイ」感想

今回は映画「007 ノータイム・トゥ・ダイ」の感想を書こうと思います。新型コロナのせいで延期に延期を重ね、やっと公開されました。

 

公式サイトはこちら

The Official James Bond 007 Website | No Time To Die JP

 

 

 

筆者は007シリーズは小さいころから見ていて、全作見ているはずです。小さいころに見たせいであまり覚えていないものもあります。好きな作品は「ロシアより愛をこめて」、「007は二度死ぬ」、「ダイヤモンドは永遠に」、「死ぬのは奴らだ」、「ユア・アイズ・オンリー」、「ムーンレイカー」、「リビング・デイライツ」、「トゥモロー・ネバー・ダイ」、「カジノ・ロワイヤル」、「慰めの報酬」でしょうか。

 

良かったところ

①ボンドウーマンが2人とも良かった

 今回からボンドガールのことをボンドウーマンというようですね。新登場の2人はどちらも個性的で良かったです。CIA側エージェントのパロマはセクシーとコメディー担当ですね。新米なのでぎこちないですが、アクションはしっかりこなしています。新007となったノーミの方は黒人でありポリコレ担当でもあるのですが、こちらもエージェントしては超一流、かつボンドとのバチバチとした掛け合いが面白かったです。今までのボンドガールって、多少エージェント能力があっても、ボンドに守られて抱かれて、メイン以外のどちらかは死ぬことが多かったのですが、今回は2人とのベッドシーンも無く、それぞれがプロフェッショなるかつチームとして活躍するという、今の時代はそちらの方が自然に思います。ノーミなんかはスピンオフ作品作っていいくらいに思いました。ただし、ノーミを007として映画を作るのには大反対です。別の名前でやって下さい。「有色人種か女性を007にできなければ007の新作が撮れない」のなら撮らなくていいと思います。アメリカ人、オーストラリア人、カナダ人も駄目だと思います。

 

②安心のアクション

 今回も体を張ったアクションと、その種類も豊富でした。最初のカーアクションは巻ビシ地雷、スモーク、ライトからガトリングガンなど、ガジェット満載。サンチアゴパルマとの共闘シーンも昔ながらのちょっとコミカルな銃撃戦といった感じ。最後の島での銃撃戦は今時のFPFやTPSのゲームのように、スクリプトで順繰りに登場する敵をバッサバッサと撃ち殺していくのは爽快感ありました。ただ一つ、ノルウェーサフィンに追われた時は、「またカーチェイスかよ」と思いました。そういうシーンはカットしても良かったんだろうと思ました。

 

③バランスの良いボンドの魅力

 「スカイフォール」ほど暗くもなく、「カジノ・ロワイヤル」ほどマシーンでもなく、ちゃんと感情があり、でも冷静さも失わず、ウィットに富んでいる、といったようにジェームズボンドとして、何かに偏っていないバランスの良さが今作のボンドの魅力だと思います。

 

④その他の脇役も魅力度高い

 今回、上映時間が長かったから色々できたのはあるかもしれませんが、ボンドウーマンだけでなく、CIAのフェリックス・ライター、M、Q、マネー・ペニー、さらにMにお付きの誰か(ほんと誰でしたっけ?)にそれぞれ魅力あるシーンがあるのも本作の魅力でした。しかしQは老けたなぁ。

 

良くなかったところ

①長い

上映時間164分らしいです。予告編含めると3時間かかります。最後の方が集中力が持ちませんでした。途中途中の会話や移動シーンが冗長に感じる部分があり、もっとカットした方が良かったように思います。私はアクション映画は120分までしか集中力が持ちません。

 

②悪役が弱くて魅力が無い

 まずボスのサフィンが良くないです。第一に動機が良く分かりません。今回の悪役サフィンは、家族をスペクターに殺され、まずその復讐のためかスペクターをブロフェルド共々壊滅させます。そこまではいいんですが、入手したナノウイルスを用いて何をしようとしていたのか分かりませんでした。前述のように、最後まで自分の集中力が持たなかったせいもあるかもしれません。第二に登場が遅いです。オープニングに出てきますが、能面被ってますし、一人で登場するので、異常者とは思いますが大物感は全くありません。次の登場がほぼ後半でマドレーヌに接触する時、その後は本当に最終戦の島の時にやっとまともに登場します。しかも障害があるのか話し方がたどたどしい。第三に組織として、単なる1テロリスト集団に過ぎず、全作までのスペクターのような壮大な悪の組織ではありません(どうも作中でも各国マークされていない組織のように見受けられます)。最後に死に方がヒドイです。せっかく何発かボンドに銃弾を当てているのに、ボンドはピンピンしてて、ちょっと格闘戦で負けたくらいで死ぬ寸前になって、最後はボンドに撃たれて死にます。なんじゃこりゃっと。途中ブロフェルドも登場するのですが、サフィンよりブロフェルドの方がよっぽど登場シーンで貫録がありました。

 次に悪役側で部下で片方義眼の「サイクロプス?」が居ましたが、こいつも良く分からない奴で、ボンドに毎回負けるのはいいのですが、最初スペクター側だったのにいつのまにかサフィン側に寝返っていて、「なんでやねん?」という感じがしました。最終戦にこいつも登場させるための苦肉の策なのかもしれませんが、意味不明です。ブロフェルドが死ぬまで全く裏切ってませんでしたから。

 唯一、科学者のオブルチェフだけは、登場シーンも多かったですし、おどけた感じの演技でいい味出してて良かったです。

 この悪役が駄目なんじゃないか?というのは、当社から心配でした。というのは、似たような悪役で「ワールド・イズ・ノット・イナフ」の敵役ボスである「レナード」というのがいましたが、これも1テロリストのボスに過ぎず、007の敵役としては格が低いように思え、やはり華が無かったためです。このサフィンも同じではないか?と考えていましたが、予想は悪い風に当たりました。

 

③ボンドへのナノウイルスへの影響が?

ボンドはブロフェルドに接触する際にナノウイルスに侵されています。これは本人には影響がなく、プログラムされた誰かに接触するとウイルスが働いてその人を殺すわけです。で、サフィンの死ぬ間際の行動で、ボンド自身のナノウイルスが悪さをしてマドレーヌや娘に悪い影響があることを察したようなのですが、その経緯が全く分かりませんでした。やはり集中力が途切れていたようです。そもそも体内のウイルスを再プログラミングできるのでしょうか?それともサフィンが最後ボンドにウイルスを侵入させたのでしょうか?

 

④やっぱり変な日本が登場

最後の戦場が北方領土?みたいに日本とロシアの国境紛争がある島で、だから逆に秘密基地が作れるということなのでしょうが、畳や石庭、ボンドの土下座など、中途半端に和を取り入れてるのが違和感たっぷりでした。ボンドの土下座は見たくありませんでした。ただし、最初サフィンの登場時に能面を被っていたのも、後半の日本近辺を示唆していたのかもしれませんが、その時は能面の不気味さとサフィンの不気味さがマッチして良かったように思いました。

 

総評

上映時間が長いことと、敵役に魅力が無いことを除けば、かなりの良作と思います。最後ボンドが一旦死ぬので、次回作がどうなるのか分かりませんが、ノーミが主役の作品を作るならスピンオフにして欲しいですね。