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【ネタバレ有り】映画「映画クレヨンしんちゃん 謎メキ!花の天カス学園」感想

今回は先日見てきたクレヨンしんちゃんの映画最新作映画クレヨンしんちゃん 謎メキ!花の天カス学園」の感想をネタバレ有で書こうと思います。公式サイトはこちら『映画クレヨンしんちゃん 謎メキ!花の天カス学園』公式サイト (shinchan-movie.com)

 

 

 

1.あらすじ

風間くんに誘われ、全寮制の超エリート校・私立天下統一カスカベ学園で1週間の体験入学をすることになったしんのすけたち。体験入学での成績が正式入学への足掛かりになると知り、風間くんはみんなで入学できるようにと張り切る。だが、そんな彼が尻に奇妙なかみ跡をつけられた姿で発見され、目覚めると真面目で頭脳明晰(めいせき)だった以前とは真逆の人間になってしまっていた。しんのすけたちは学園の落ちこぼれ生徒会長・阿月チシオとカスカベ探偵倶楽部を結成し、事件を捜査する。

 

 

2.感想

前作と大分テイストが変わっていて、そことの対比も多いので、良ければ前作の感想も見てみて下さい。【少しネタバレ有】『映画クレヨンしんちゃん 激突!ラクガキングダムとほぼ四人の勇者』感想メモ - WAWON’s blog (hateblo.jp)

 

 

良かったところ

①前作と異なりサブキャラがちゃんと描かれている

今回の登場キャラは全て天カス学園の生徒か先生となっているが、風間君を襲った犯人はいるものの、明確な敵キャラがいるわけではなく、しんちゃん達と彼らとのコミュニケーションシーンが多くあり、その点で各キャラともバランス良く登場していた。

 

②比較的まとまっているストーリー

これも前作と比べてだが、ストーリーがまとまっているように感じた。1週間の体験入学なのだが、毎朝「月曜日」、「火曜日」といったように何曜日か表示されてるのが地味にペースが分かって良かった。今回は時間的に半分が探偵ものであり、事件パート、探索パート、解決パートと、見やすい作りとなっていた。

 

③グッとくるラスト

今回、風間君はラスボスとしてしんちゃんとマラソン対決することになる。風間君はしんちゃん達もエリートにしたいと考えている。なぜなら、そうしないと小学校のお受験の結果、学校が違って離れ離れになるからだ。一方しんちゃんはエリートにはなりなくない。そんなの分からない、今を生きたいと言う。結局しんちゃんが勝つわけだが、人生では、卒業とともに一生合わない同級生が沢山いるわけで、自分を省みると、もうちょっと頑張って交流をつないでおけば良かったかなぁと考えさせられる。

 

④ポイント制度

天カス学園では、AIが常時生徒を監視しており、エリート行動をすると胸のバッジに記録されるポイントが上がり、エリートらしくない行動をすると下がる。もちろんしんちゃんは常時下がるし、風間君は努力して上げようとするが、しんちゃんのトラブルに巻き込まれて下がってしまい、そこから喧嘩となる。最上位エリートは特権があり、マイナスポイントの学生はやさぐれる。筆者は個人的に非常にこういうポイント制度の組織が好きだ。ポイントは社会での一般的な価値が無く、その組織内だけで通用し、かつその付与を一手に握るものが権力者として君臨する。外から見るとバカみたいだが、当の本人たちはポイントに縛られて生きていく。そういう社会というのは面白い。わがままを言うと、ポイントの学生間貸与ができたらもっと面白かった。すんごくギスギスした映画になっていたことだろう。

 

良くなかったところ

①スケール小さめ、アクション少なめ、ハイテンションなギャグも少なめ

大体映画版では悪の組織が世界征服or春日部市征服やら、何かしらの野望を考えているものだが、今回はそんなこともなく、犯人の動機もショボイ。舞台も天カス学園内のみだ。クレしん映画にしては非常にスケールが小さくここまでの小ささは珍しい。また、敵組織がいないので、アクションシーンも少なめ。一応最後のマラソン対決はAIがドローンで妨害してくるのに対して味方の学園生と一緒に戦うシーンもあるが、それくらいである。また、ギャグシーンもあることはあるものの、前作のようなハイテンションなものはなく、大笑いできるものは無かった。

 

②探偵パートまでが少し長い

前作は春日部に戻ってからが長く感じたが、今作は中盤の探偵パートまでが少し長く感じた。今作の主軸が謎解きにあるので、さっさと事件が起こって探索パートに移って欲しかったが、結構長い尺を取って学園のシステムや各キャラの紹介パートが続いて中だるみした。紹介パートで事件解決につながるヒントもあるにはあるが、キャラ紹介と事件発生を並行させても良かったように思う。

 

③大人になるとあまり納得できないマラソン対決の動機

風間君は犯人の1度目の襲撃では馬鹿になるが、2度目の襲撃でエリートになり、だれでもエリートになれる装置で学園中をエリートだらけにしようとする。しんちゃんはそれを防ごうとする。マラソン対決をして勝った方の言うことを聞くのだ。学園生は、最初はもちろん風間君を応援するが、最後はしんちゃんを応援する(ここら辺は大人帝国に似ている)。いやいや、マラソン対決するまでもなく希望者を全員エリートにしたらええですやん?

 

3.総評

巷のレビューサイトでは結構評価が高い模様だが、自分としては普通。前作の方がどちらかと言えば好みかな。