【少しネタバレ有】『映画クレヨンしんちゃん 激突!ラクガキングダムとほぼ四人の勇者』感想メモ

 

0.あらすじ

人気アニメ「クレヨンしんちゃん」の劇場版28作目。「ラブライブ!」「宝石の国」などの話題のアニメを送り出してきた京極尚彦が監督を務め、脚本を「婚前特急」「そこのみにて光輝く」などの実写映画を手がけてきた高田亮が担当する。地上の落書きをエネルギーに浮かぶ王国「ラクガキングダム」は、時代の流れで地上から落書きがめっきり減ったことで崩壊の危機に直面。人間たちに無理やり落書きをさせる「ウキウキカキカキ作戦」を決行し、地上への進撃を開始する。一方、ラクガキキングダムのお姫様は、描いたものが動き出すという王国の秘宝「ミラクルクレヨン」を持ち出し、決死の覚悟で地上に託す。ミラクルクレヨンを手にしたしんのすけは、実体化した落書きたちと力をあわせて平和のために立ち上がるが……。

 

1.良かった点

(1)冒頭からクライマックス!

クレヨンしんちゃんの映画でよくあるパターンは、

→①日常(家、幼稚園等)

→②敵組織暗躍開始→③日常が侵されていく→④しんちゃん脱出

→⑤敵組織壊滅のためのクエストorロードムービー→⑥敵組織と対峙

→⑦ハッピーエンド、となる。

今回は、①と②がほぼ同時でオープニングと同時であり、④までの展開が非常に速い。また、音楽も最初から激しい調子であり、冒頭の盛り上がりはすごい。

 

(2)まるでジオン軍のような電撃的春日部制圧シーン

毎回のように春日部は危機に陥るわけだが、今回は空にあるラクガキングダムからの奇襲ということで 、鬼軍曹率いる空挺部隊が電撃的に制圧する様は圧巻である。

 

(3)程よいギャグと感動とホラーのバランス

クレしんの映画版は作品によって「ギャグ」と「感動」のバランスが全く異なっており、正直筆者は感動少な目ギャグ多めが好きである。また、なぜか「ホラー」成分があることが多い。今回は感動シーンがいつも通り終盤ピークでくるものの、前半・中盤のギャグとホラーがテンションを落とさずに続くため、終盤の感動で胃もたれせずに済んだ。中盤のリンゴちゃんによる強制落書き収容所?とマツケンサンバ拷問シーンは特に好きな部分だ。

 

2.良くなかった点

(1)敵幹部の扱いが雑すぎる

敵が弱く、冒頭に現れる幹部と思しき敵キャラの活躍シーンが無い。かつ名前が分からない。ラクガキングダムの敵キャラクターはナンセンンスな落書きキャラが多く、冒頭何人も出てくるシーンで「こいつらがこの映画でどんな個性を出していくのだろう?」と期待を持たせてくれる。ところが、冒頭シーンのこいつらは防衛大臣を除いて全く活躍しない。名前も分からない。「あー城が落ちるー、もう駄目だぁー」と言うだけ。そのくせ活躍する幹部敵は、防衛大臣以外と鬼軍曹以外はしんちゃんと相対する時に初めて登場し、すぐに降参と、まったく見せ場が無い。というかこいつら名前が全然わからん。スニーカーに乗ってる二人組はキャスト一覧に「食料大臣(兄)、(弟)」とあるからそれなのか?どこが食料と結びついているんだ?鬼軍曹ですら、本編で名前が出てこなかったんじゃないか?山田裕貴防衛大臣だって全然見せ場なかったぞ。ジオン軍で書いたけど、結局春日部を制圧するだけで兵站が伸び切って、後はしんちゃんに拠点を奪還されつづけるというのもそっくりに感じた。(サトーココノカドーという名のオデッサ

(2)春日部に戻ってからが長く感じる

良かった点として、冒頭の電撃的な進行を挙げたが、反面で、春日部に戻ってから、つまり⑥敵組織との対峙が長く感じた。春日部に戻って、戦車や戦闘機を書き出したら、「これが最終決戦だ」って思っちゃって、気持ちを持って行ったのに、長引くから疲れてしまった。ラクガキングダムとの対決、ユウマの親探し回収、城の崩壊と復活、落書き仲間達との別れ等々、いろいろ詰め込みすぎたというか、もっと場所を作ってイベントを分散させた方が良かったのだと思った。

(3)やはり話のオチが弱い

クレしん映画の欠点の一つは、話のオチが突拍子もなかったり、解決法に矛盾があったりと、しまりが悪い点にあるが、今回もその点は良くなかった。すでにミラクルクレヨンは無いのに、ライン引きの石灰でぶりぶりざえもんを復活させるとか、今までの設定無視じゃないか。そもそも、なんであそこまで強制労働でラクガキさせたのに、城が落ちてくるんだよ。歌いながら無理やり解決というのはカンフーボーイズみたい。

 

4.総評

クレヨンしんちゃんは、映画は毎年見ているけど、今回のは平均的な面白さだったかな。最初は良かったんだけど、もっとラクガキングダムのキャラを生かして欲しかったなー。