【考察】クラウドゲーミングはしばらく普及しないだろう

 最近Amazonクラウドゲーミングを始めるらしい、去年はGooglenVIDIAも始めたし、PSもPlayStation Nowがある。これらのクラウドゲーミングが専用ゲーム機にとって代わる存在になるかどうかで議論があるところだが、筆者は、暫くは普及しないし、とって代わることもないと考えている。その理由を以下に記述する。なお、筆者はクラウドゲーミングサービスを利用したことは一切無いので、妄想まみれのエア考察だということをお断りしておく。

 

 

 

クラウドゲーミングは誰をターゲットにしているのか?

 クラウドと専用ゲーム機との違い、それは高価で高性能なハードウェアが必要かどうかだ。クラウドの強みは、それらが無くとも、豪華なグラフィックのAAAタイトルをプレイできるというのが売りも文句だろう。では、そのAAAタイトルをプレイするのは誰か?どちかというと、ゲームに長時間費やすのを厭わないヘビーーユーザーだろう。では、ヘビーユーザーはゲーム専用機が必要ないことに魅力を感じるか?クラウド側はそこに”Yes”と自信をもって答えないといけないが、本当にそうなのか非常に疑問だ。ヘビーユーザーがゲーム専用機を持たないという、ある種の自己矛盾した存在となり得るのだろうか?あり得るのは、ヘビーユーザーだが専用機を買うほどの余裕が無い層だ。まだ働いていない若者等が当てはまるだろう。もしくは、ゲーム専用機の無い環境(スマホやノートPC)でもゲームを続けてプレイしたい場合だ。しかしそこまでしてゲームしたい層は非常に限られてくるだろう。

 そうではなくてターゲットはカジュアルなライト層とすればどうか?専用ハードウェアが必要ないことはライト層には魅力的だろう。だが、彼らはAAAタイトルをがっつりやるというよりも、ソシャゲのように、日常の空き時間を利用して軽めにプレイできるゲームをするだろう。AAAタイトルをするにしても、そう頻度は高くないはずだ。ということは、クラウドゲーミングで揃えるべきソフトはなるべくカジュアルなゲームになるだろう。筆者は”Fall Guys”あたりをイメージしている。

 以上より、クラウドゲーミングはどちらかというとライトな層か、未就労者等で所得が低いヘビーユーザーに魅力的だと考えられる。

 

動画のサブスクリプションとは性質が異なる

 前項よりターゲットを絞ったが、次に彼らに刺さる料金体系とは何かを考察する。クラウドゲーミングは、月額定額制のサブスクリプションモデル(サブスク)を採用することが多い。だがモデル、本当にターゲットに対して魅力的なのだろうか? 

 プラットフォーム側の魅力は高い。サーバー等のインフラ整備・維持やタイトルの獲得に継続的な費用がかかるし、人気ゲームがいつどのように発生するのかは自分達ではコントロールできないので、買い切り形で手数料を取るよりも、サブスク型で一定の収益を得た方が経営が安定する。基本無料でアイテム課金(ガチャ含む)なんてのはゲームシステムの問題であって、これもプラットフォーム側がコントロールできない。

 一方、ユーザー側としては、毎月支払った料金に対して、ある程度は定常的にそのプラットフォームにログインしてプレイすることが前提となる。その点、ネトフリのような動画系よりもサブスクのビジネスモデルが整合しないように考えられる。理由は、動画が短いアニメ等なら30分、映画で2時間程度の小刻みな時間使用に向いているので、ゲームのようにクリアするのに10時間以上かかる商品には向いていないのではないか?と筆者が考えているからである。反論もあるだろう。動画でもドラマなら1シーズン10時間以上かかることもある。どちらもとりあえず試してみて、つまらなかったら途中で止めればいいだけだ。ただ、ドラマが1話毎の区切りが一応存在するし、どの話から見ても良いのに対して、ゲームは区切りが明確ではないし、途中からプレイすることもできない。そういう点でも、試しにくさのレベルが異なる。

 所得が低いヘビーユーザーは、サブスクリプションとは言え、費用を支払うのに(支払い手段も含めて)抵抗があるだろう。また、ライトな層は、定常的にログインして、プレイするゲームを検索・選択して、面白くないリスクを抱えたまま数時間プレイしてみる、といった行動をするとは思えない。

 

クラウドゲーミングに適した課金システムとは?

 筆者が考える課金システムは、作品ごとに無料プレイ可能時間を設けたうえで、続きをやりたければ課金させる、というシステムだ。これなら、とりあえずアカウントだけ作っておいて、気になるゲームを少しプレイしてみて、つまらなくなったら次のゲームに移動して、お金を払ってでも次をプレイしたいものだけ継続することができる。月額無料だから、放っておいても問題ない。低所得のヘビーユーザーにとってもお財布に優しい。追加でいうと、この課金システムを採用する場合、とにかくアカウントを取らせることが重要なので、アカウント連携が簡単なGoogleが有利な気がする

 

でもそんなビジネスモデルは成り立ちにくい

 前項の課金システムだが、プラットフォーム側の「サービス維持のための安定収益が欲しい」というニーズと合わないので、ビジネスモデルとして成立しにくいと思われる。収益安定化のために広告を表示するのもナンセンスだ。だから、前項のような課金システムが取られる可能性は低い。よって、クラウドゲーミングは普及しない。