WAWON’s blog

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【感想】マーベルスナップをプレイしてみて(ハースストーンとの比較から)

 

 

 最近、元ハースストーン(ハース)の開発者であるベンブロード氏が開発した「マーベルスナップ」(マベスナ)をプレイしたので、ハースストーンと比較した感想を書こうと思う。

 

 筆者はハースストーン歴7年であり、カジュアルプレイヤーなのでレジェンドは1回いったことがあるくらいだが、課金をしているので、カード資産は多い。一方マーベルスナップは3月に始めたばかりでランク25~30程度、カードプールは2までしか行っていないので、全然初心者だと思う。その前提で読んでいただきたい。

 

基本的なルールは各自のホームページで確認して欲しい

 

hearthstone.blizzard.com

 

www.marvelsnap.com

 

 

特徴と良い面

 

1プレイ時間が短い

  1プレイ時間はマベスナが圧倒的に短い。殆どの場合、6ターンで終了するから1プレイ5分以内に終わるだろう。一方、ハースは6ターン終了は早い方で、最近はコンボデッキが多いから10ターンかかることは稀になってきているが、それでもコントロールデッキだと10ターン以上かかることもある。1プレイは5分~10分、長い時は15分くらいかかる。そういう意味では、すき間時間にプレイするなら、ハースよりもマベスナの方が気軽にプレイできるし、「もう1回」と思ったときの追加プレイ時間も少ない。

 

ロケーションの存在

 マベスナの大きな特徴の1つは3つロケーションの存在である。その日によって出やすいロケーションはあるが、基本ランダムであり、それによってデッキの有利不利も変わってくる。また、多くのカードの効果がカードを置いたロケーション内のみに対して有効なため、ばらして置くのか、あるロケーションに固めて置くのか、といった戦略性や、相手がどのロケーションに置くか?といった読みの要素がある。一方、1ターンにほぼ同時にカードを出して、効果を公開していくスタイルであり、自分のターン・相手のターンといった概念薄いのが良くもあり、悪くもある。つまり、カードを出す前の読みが重要である一方で、ハースのような相手が出してきたカードに対して、それならどうする、といった将棋や碁のようなコミュニケーションが無い。どちらかと言えばブラックジャックのような感じだ。

 

スナップによる射幸心煽り

 もう1つがスナップの要素だ。スナップによって獲得or喪失ポイントを2~4倍に増やすことで、射幸心を煽り、大きな快楽を得ることを可能にしている。ランクを気にしなければどうでも良いシステムなので筆者はそこまで魅力に感じていないのだが、ちょっとした味付けとしては良いと思う。

 

勝負が最後まで分からない

 そしてもう1つの要素が、勝負が6ターン目まで分からないことが多いことだ。ハースはある程度ターンが経過すれば有利不利がはっきり出てくるし、負ける時もOTKデッキでない限り段々と負けていく。一方でマベスナは5ターン目までで有利不利が分からないことが多く接戦になりやすい(そう見えているだけかもしれないが)、それで6ターン目に出すカードと出すロケーションで最後の勝負が決まることが多い。ここはロケーションやスナップ要素との親和性が高く、非常にカタルシスが得られる部分だ。ハースは、どう考えても不利なデッキで対決し、負けそうと分かって結局負けるパターンが多く、ちょっとやさぐれてしまう。

 

軽い動作

 ハースはアプリが容量的にも動作的にも重いという最大の欠点がありこれは言うまでもなくマベスナが圧勝である。

 

明らかな欠点

 

デッキの幅が狭い

 ロケーションを除くと、バラエティという意味では、ハースが11ヒーロー毎に使えるカードや戦略が異なる等、バラエティに富んでいるのに対して、マベスナはヒーローの概念が無く、後述のプール毎に収集できるカードも限られてくるため、デッキの幅が狭い。

 

ハースより「ながらプレイ」はしにくい

 意外だが、マベスナよりもハースの方が「ながらプレイ」がし易い。マベスナは6ターンに凝縮され勝負の回転が速いこと、ロケーションの公開が3ターン目までかかること、最後まで勝負が分からないことから、目が離せない。一方で慣れるとハースはそのターンで自分ができること、相手からされることの予想がつくし、スローテンポなので画面に集中しなくてもよく、「ながらプレイ」に向いている。

 

カード収集要素はストレスが溜まる

 カードの収集要素についてだが、マベスナはプレイすることで得られるカード専用のポイント(ブースター)を貯めて、一定以上ブースターが貯まると、カードのレアリティをアップグレードできるので、さらにそれによって得られるコレクションレベルを上げていくと、ランダムで新規カードを入手できる。書いてみると凄く回りくどい。実際はそれほどでも無いが。これもコレクションレベルの帯(によって獲得できるカードが限られており(シリーズ)、高コレクションレベル帯のカードは最初は手に入らないし、同じシリーズのカードでもランダム入手なので、いつまでたってもお目当てのカードが手に入らない場合がある。一方ハースは拡張毎のカードパックを購入してランダムに獲得するか、要らないカードを還元して得られる魔素を使って直接カードを作成できる。そのため課金さえすれば初心者でも、好きなデッキを組むことができる。マベスナはハースに比べると課金要素が薄いと思うが、一方で金で時間を買うこともできない。1プレイが短くてカジュアルにプレイできる割に、忙しいので金で済ませたい仕事勤めの人間にはストレスが溜まる仕様になっている。お金を掛けずに楽しみたい分にはマベスナの方が良いだろう。ただこれは初心者向けというわけではない。ハースは初心者には、コアセットと、構築済みデッキが無料で配られるので、実はデッキにこだわらなければ初心者でもそれなりのデッキが組めてしまうのだ。

 

カードの魅力は人それぞれ

 カードそれ自体の魅力についてだが、ここは個人の好みだろう。WOWよりはマーベルコミックの方が有名だろうから、スパイダーマンやアイアンマンといった有名キャラを使えるのは魅力だろうし、ハースは、WOWは知らなくとも魅力的なセリフと、調べてみると奥深いバックグラウンドもあり、こちらも十分魅力的である。絵柄は正直どちらも日本人受けはしないだろうが。

 

数字の種類が多くて分かりにくい

 マベスナが意外にダメと思う部分の1つが、プレイ以外で扱う数字の多さだ。マベスナにはゴールド、ブースター、クレジットという3つの通貨的な要素があり、また、ランクとコレクションレベル、シーズンパスのランクというこれまた3つのレベル要素がある。プレイルールがシンプルな割に、やたらと数字が多いのだ。実際、「あなたのランクはいくつ?」と聞かれた時に、コレクションレベルのことか?と思ってしまう。特にゴールドとクレジットを分ける意味が分からない。意味が同じだろうに。ハースはゴールドと魔素の通貨要素、ランクとシーズンパスのレベル要素があるが、マベスナよりもシンプルで使い分けができていると思う。

 

UIは改善の余地が大アリ

 マベスナは現在スマホ用の縦長ベースの画面しかない。PC用の横長画面も開発中らしいが、今は縦長ベースだけだ。そのためPC用の画面だと全体の1/3くらいしか使えていない。また、マベスナは字が小さいし見にくい。拡大機能はあるのでそうすれば分かるものの、特にロケーションは大きさの割に文字数が多く字がつぶれている。また、ハースは白字が黒字かを背景色に合わせて変えているのに対して、マベスナはどんな背景色でも白字であり、ロケーションの背景が明るい色だと拡大しないと本当に読めないし、拡大したらしたで目が痛くなる。これでは長時間プレイはできない。UIは非常に悪いと言える。

 

 

音楽が貧相

 マベスナの音楽とステージはどんな対戦でも1つしかなく(恐らくターンで曲調は変わってくるのだが)、ハースが1拡張で2つ、常時8~12個あるのとは大きく異なる。またその音楽自体もかなりシンプルであり、音楽それ自体に魅力は無い。また、日本語のボイスも決して良くなく、対戦時の「勝利―!」という「Victory!」のイントネーションでそのまま発音するものだから、非常に間抜けである。またカードのボイスに関してもマベスナは殆どのカードにボイスが無く、ハースが言語能力があるキャラのカードならそれなりにウィットに富んだ言葉を発してくれるのに対して、非常に貧相だ。

 

 

ハースストーンプレイヤーであるロン氏のマベスナ紹介動画。いかに画面に余白が多いか、「ビフレスト」のロケーションの文字が読みにくいか分かるだろう。

youtu.be

 

 

 

まとめ

ということで纏めに入ろう。

 

マベスナがハースよりも優れている要素

・1プレイの短さ

・最後まで勝負の行方が分からず、興奮が続く

・ロケーションによって、明確な有利不利デッキの関係が表面化しにくい

・動作が軽い

 

マベスナがハースよりも劣っていると思われる部分

・UIが悪く長時間プレイでは目が疲れる

・音楽

・デッキとプレイの多様性

・プレイ以外での数字の種類の多さ

・お金でカードを揃えられない。

 

最後に

 最後に個人的にはどうか、というとやはりハースストーンを捨ててマーベルスナップに完全移行するかというとそんなことにはならない。ハースで今までの資産があるのも要因の一つだが、シンプル過ぎて深みに欠ける、と思うところとUIが悪すぎて視力が衰えてきた自分には長時間プレイできないこと、かといって短時間プレイだと中々カード資産が揃っていかない点があり、隙間時間にプレイする分には良いが、熱中してプレイする程でもない、と感じている。今はプレイしているが、そんなに長続きしないだろうなぁと思っている。もちろん、それも無理からぬことで、10年近くのアップデートと資産があるハースと、出たばかりのマベスナを比較して、マベスナの方が底が浅そうと判断しても不公平だと言えばその要素はあるだろう。

 ハースとの比較ではなくて、絶対的な面白さでいうと、かなり面白い方だと思う。入口がとっつきやすく、プレイルール自体はシンプルで、熱中性もある。さすがベンブロードといったところだ。一方で繰り返しになるが、UIの改善を始め、まだまだ初期段階で改善の余地は大いにあると思う。