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【ネタバレ有ゲーム感想】アサシンクリードヴァルハラ クリア後の感想

 

 

公式はこちら

 

ubisoft.co.jp

 

 

久しぶりに大作をプレイして。アサシンクリードヴァルハラを約80時間かかってエンディングまで行ったので、感想を残しておこうと思います。

 

 

前提

 

クリアの前提:本編のエンディングまでクリア。拡張は「ドルイドの怒り」、「パリ包囲戦」はクリア。「ラグナロクの怒り」は未プレイ。収集要素やサブクエは3割くらい。唯一、「古き結社」は全員暗殺済み。

 

環境:CPUはCoreI5 10500、GPUはGeforce GTX1660 SUPER。フルHDの設定高で平均60FPS弱くらい。オプションでベンチマークがあるのですぐに分かる。

 

今までのシリーズプレイ履歴:アサシンクリード2、オデッセイはクリア、Ⅳは半分くらい。

 

オデッセイが非常に面白かったので、セールで半額になった頃なら追加コンテンツも充実してバグも取れているだろうと思い、発売から1年後に購入してプレイした。なのでオデッセイに比べてどうか?という点での感想が中心となる。

 

感想

結論:確かに大作であり光るところもあるが、冗長でありオデッセイには劣る

 

理由は以下に述べる

 

全体の説明

 

舞台は9世紀のノルウェーイングランド。子どもの頃に両親を殺された上に狼に食い殺されそうになったスカンジナビアヴァイキングで主人公のエイヴォル。義兄のシグルドを新しい首長としてイングランドに移住し、定住地を中心に、日本でいう戦国時代のような暗黒時代のイングランドで各地の太守や王と同盟を結んでいく。

 基本的に、定住地で同盟を結びたい州を選ぶと、その州にまつわるクエストが開始。大体1クエストが3時間程度といったところ。王や太守、若しくはその配下である従士に呼ばれて行き、依頼をこなしながら、最終的に敵対勢力の砦を落として味方をその州の長にすればクリアとなる。州毎にレベルが設定されており、かつ1度に選べる候補は2~3か所となっており、クリアしてストーリーを進めると次の州が選べるようになっていく。追加コンテンツを先にプレイしてレベルを上げておけば、高レベルで無双プレイしてさくさく進めることができるし、わざと推奨レベル以上の州のクエストに行っても良いが、上述のように極端なレベル差のある州は選べないようになっている。

 武器・防具は、オデッセイは武器屋でどんどんレベルの高い武器を買っていく感じだったが、ヴァルハラは装備は基本的に宝箱やクエストで入手し、それの品質を鍛冶屋で高めていくシステム。そのため、初期に入手した武器でも品質を高めればずっと使用することができる。

 ストーリーでは、もう1つのラインとしてアサシンクリードシリーズ共通である、現代ではアブスターゴ社、古代では「古きものの結社」、中世末期以降は「テンプル騎士団」が暗躍する。シリーズ特有の現代編でのプレイも存在。よって、オデッセイ同様に「古き結社」がおり、彼らを見つけて暗殺していくのがサブクエストとして存在する。筆者も全シリーズはプレイしていないのだが、世界観として、古代文明か何かが残した超文明を巡って、それらの鍵となる各時代の人物のDNAを使って彼らの記憶を再生し、超文明の遺跡の場所を探っていく、という話だと思われる。各時代の主人公はその記憶である。

 今回、エイヴォルは各州と同盟を結んでいくのだが、義兄のシグルドは幻視によりヴァルハラの場所(実は古代文明の遺跡)が分かり、古き結社はその場所をシグルドを通じて知ろうとする、といった点で関係してくる。

 

 

ストーリーの良かったところ

イングランドの混沌とした感じが良い

 当時のイングランドは中世暗黒時代でかつ戦国時代。七王国と呼ばれていたようだが、実際はもっと小さな単位の国(というか今なら市や郡ぐらいか?)の集合体だったようだ。 民族も、サクソン人、デーン人、ノース人、ピクト人、ブリトン人がおり、宗教はキリスト教徒のサクソン人VS北欧神話のデーン人・ノース人といった対立が軸となる。なので王国といっても山城を1つ持っている程度の田舎君主で、かつ長子継続制度が無いから跡継ぎ問題が頻発する。そういった彼らの混沌かつ殺伐とした諍いにエイヴォルが入っていくことになる。敵なのか味方なのかとにかくわけも分からずとにかく目の前の敵をぶちのめしていく、まさに中世の暗黒時代の雰囲気だ。

 

ストーリーの悪かったところ

・同盟を延々と結び続けるのに飽きる

 総計15所程度の州があるが、毎回、定住地から同盟を結びたい地を選ぶ→当地に行って問題を解決する→敵の城を落とす→クリアを繰り返す。どの州も同じである。さすがに後半は飽きて、ストーリーも流し読みになってしまった。もっと絞ってその代わり一つのクエストを長くしても良かった気がする。1クエストの時間がそこまで長くないので、登場人物は数多いが各人物への思い入れがそこまで深くなれず、複数の人物が途中で戦死するのだが、「誰だっけこいつ?」といった思いまで持ってしまった。雰囲気は「ウィッチャー3」に似ている世界観なのだが、「ウィッチャー3」が比較的1ワールド、1人物長く時間をかけるのに対し(ヴェレンの血まみれ男爵のように)て対照的だが、後者の方が断然良いと思った。

 また、オデッセイが、「母親を探す」、「姉弟を取り戻す」といった一貫した主人公側のストーリーがあるのに対して、今作はエイヴォルが「兄を支える」という曖昧な動機と「自分たちの集団が各地と同盟する」という公的な動機がストーリーを動かしており、強烈に自分の意志があるとは感じられなかった。

 

・地名や人名が頭に入り辛い

 イギリス人なら分かるのかもしれないが、まず州の名前が「~シャー」か「~クス」の2通りが殆どである。「ハムトンシャー」「リンカンシャー」「エセックス」「サセックス」と言われてもどこのことだかさっぱり分からない。また人物名も日本人にはきつい。また親子や兄弟で名前が似ている場合が多い(チェオベルトとチェオウルフのように)のも拍車をかけていた。日本語音声で日本語字幕が出ているのに、誰の話をしているのか分からない場合が多かった。オデッセイは古代ギリシャということで、知名度が9世紀イングランドより上なので、地名や人物名もまだ頭に入ったのだが、なんというかマイナーな舞台だと思った。

 

古代文明との関係性が不明瞭

 今までの作品は、主人公が明らかに古代文明人の子孫だった。今回、幻視で古代遺跡を見つけられたのは義兄のシグルドのため、シグルドが古代文明人の子孫であり、主人公のエイヴォルは違ったはずだ。エイヴォルは二重人格なのか、自分を模したオーディンの幻影と会話することはあり、古代遺跡の装置の世界でもオーディンと戦っていたが、どう考えてもそれ自体は古代文明と関係ない。なぜなら古代遺跡のスイッチのオン・オフできたのはシグルドだからだ。なのに、現代編主人公のレイラはエイヴォルのDNAを使って記憶を再生していた。これはいったいどういうことだろうか?

 

(追記)どうも隠しエンドで分かるのだが、シグルドもエイヴォルもバシムも全員古代人の転生体で、しかもオーディン達ヴァルハラの連中も全員古代人=シスらしい。だから、バシムは息子であるフェンリルを殺されたのでオーディンの転生体のエイヴォルを恨んでいるのか。というように普通にプレイしたのではストーリーを全部理解することはできないだろう。

 

・サブクエストが地味

 サブクエストは「ワールドクエスト」というのだが、今作ではサブクエストはクエスト一覧に載らず、スタートする表示も出ない。クリアして初めてクエスト名が分かる仕様だ。なぜこんな地味な仕様にしたのだろうか?また、オデッセイでもたまにあったが、今回は短いクエストが多すぎる。戦闘も全く無く、会話して終わりとかちょっとしたミニゲームやって終わりとか、オープンワールドは寄り道でのサブクエストの楽しさが重要だと思うのだが、なぜここは地味にしたのだろうか?フィールドの収集要素は非常に豊富である一方で、ストーリー性のあるミッションが少ないため、収集要素に興味の無い筆者はフィールドの密度が薄いように感じて、非常にもったいなかった。

 

システムの良かったところ

・レベルのシステムはオデッセイよりもヴァルハラの方が上

 オデッセイでは、レベルを上げても敵のレベルも並行して上がっていくので、全く無双はできない仕様になっていた上に、追加のリアルマネーを払わないとレベル上げが非常に面倒だった(筆者は追加費用を払ってレベル上げをした)。また装備はレア度もあったが、それよりも装備レベルの方が大事で、次々と武器やで武器を乗り換えていくスタイルだった。その点、ヴァルハラはレベル上げをしての無双プレイもできるし、装備も大事に品質を上げて使い続けられるので、愛着が湧いてよかった。

・戦闘システムはオデッセイに似ていた。ただ、スキルツリー制度のせいで、比較的初期レベルの際の戦闘スキルが非常に貧弱で面白くない戦闘や暗殺となっていた。また、暗殺に関しては連続暗殺がオデッセイに比べるとしにくく感じた。一方、フィニッシュムーブはヴァルハラは豊富であり、1対多の際にどんどんスタンアタックでフィニッシュしていくのは非常に快感だった。

 

システムの悪かったところ

・バグがいまだにある

 最大の欠点がこれ。筆者の場合、10回程度の突然終了があった。それより頻発したのが、なぜか弱攻撃ボタンが反応しなくなるバグで、メニュー画面からやり直すと治るのだが、突然終了と相まってものすごくストレスだった。

 

・無駄に取りにくい宝箱

 アビリティや装具、品質アップのための鋳塊は殆ど宝箱から手に入れるのだが、この宝箱が後半に行けば行くほどやたらと見つけにくい。特殊探知能力で場所までは分かるのだが、地下に入る入口が分からなかったり、建物がなぜか全部内側からかんぬきされていたりで、どこを巡っても入れないので諦めたことはなんどもあった。たまにそういうのがあっても良いが、アビリティのようなゲームを面白くする要素を取れなくするのは如何なものだろうか?

 

・襲撃が楽しいのは最初だけ

 オデッセイにも戦争システムがあって、これが何の意味も無いので楽しいのは最初だけだったのが、ヴァルハラで最初だけ楽しいのは襲撃というシステムだ。これは河川沿いの修道院を部隊で襲って定住地の拡充に必要な物資を得るというものだが、正直面倒。なぜなら、戦闘シーン自体はメインシナリオで散々やるので、それ以上にただ戦って宝物を開けるだけのミッションはすぐ飽きた。河川襲撃という追加モードもあるが、こんなの全然やっていない。

 

グラフィック

 グラフィックは文句なく良かった。オデッセイは地中海が舞台で太陽が照り付ける原色系の明るい舞台だったが、今作はイングランドなので、霧と沼が多い比較的暗いイメージの場所が多く独特の臨場感があった。他にも落葉樹の森があったり、高原地帯があったり、雪山もあったりと気候もバラエティに富んでいた。というか、オデッセイの時も思ったのだが、1回しか立ち寄らないような村やダンジョンにどんだけこだわってんだ?というくらいの映像のち密さだ。

 唯一欠点だと思ったのは、グラフィックではないのだが、方々にある膝丈ほどの低めの塀で、歴史的には農地の境界線とかで当たり前にあるものだろうが、馬でショートカットしながら疾走しようとしてもいちいち引っかかってジャンプ動作が必要になるためうっとおしく感じた。

 

 

総括

 確かに広大かつ美麗なオープンワールドで、これでもか!というくらいの豪華なグラフィックと、シリーズを通じて洗練された戦闘アクションはこれぞ大作という感じがした。一方で、この広大なフィールドを活かしきれていないストーリーが如何ともしがたい退屈さを感じさせる。ボリュームは水増し感があり、具体的にはヨトゥンヘイム編やヴィンランド編など、よくここまでのステージ用意してこんな低密度のシナリオで終わらせるなぁ、と逆に関心してしまった。

 次回作があるとすれば、もちろんオープンワールドなのだろうが、マップの広さは広くなくても良いので、もっとストーリー的に密度を濃くしたものを期待したい。