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シャープのドラム式洗濯機ES-K10Bレビュー

最近賃貸で引っ越した関係で、備え付けのものを除いて家具家電を結構買ったので、どうせだったらそれらのレビューをしていきたいと思う。

 

 

 

 

jp.sharp

 

kakaku.com

 

 第一弾はシャープのドラム式洗濯機「ES-K10B」だ。この機種、前モデルのH10シリーズから型番も変える等変化点が多い機種なのだが、ネットのレビューや口コミが殆どない。アマゾンでも売っているが、レビューは殆ど上位のX11Aのものだ。価格.COMのレビューも1件しか無い。すごく不憫だ。そこで、最高とは言わないが、悪くない機種なので、もしこの記事を見つけたら参考にした欲しい。そのうち価格.COMのレビューも書こうと思う。

 

 

1.シャープのドラム式シリーズ概観

 シャープのドラム式洗濯式は2024年4月初旬現在で5シリーズあり、上3つがヒートポンプ式、下2つがヒーター式の乾燥機能であり、ES-K10Bは下から2つ目のエントリークラス、ヒーター式としては1番上になる。シャープのシリーズ毎の機能の違いについて簡単に表にまとめてみた。他にも差異はあるが詳細はシャープのカタログでも観て欲しい。リンクを貼っておく。ESはシャープのドラム式共通の型番なので以降は表記から除く。

 

カタログ一覧:シャープ

 

 シャープのドラム式洗濯機でよく紹介されるのは「ハイブリッド乾燥」機能で、ヒートポンプを主体としつつも、ヒーターも補助として搭載して、トータルで電力消費を抑える機能らしい。ただこの機能は最上位のX11シリーズにしか搭載されていない。

 あと目立つのは、上位3シリーズの前面ドアで、一般的な丸形ドアではなくて、全体を覆うようなガラスドアとなっていて見た目が非常にスタイリッシュだ。ただ、思うに実際使う際は結構邪魔だと思う。

 当たり前だが、グレードが下がるにつれて機能も減っていく。最廉価シリーズのS7シリーズは、比較的コンパクトで1人暮らしでも設置しやすく価格も安いと人気のようだが、表の通り機能は最低限しか持っていない。正直乾燥ダクトと洗濯槽の自動洗浄は、セルフで掃除できないのだから搭載していて当たり前の機能だと思う。もし、搬入経路や洗濯機置き場の広さ(+予算)が許すなら、S7シリーズよりもK10シリーズも選択肢に入れて欲しい。

 

2.実際のレビュー

それでは早速自分で3か月程度使ってみてのレビューを述べていく。価格.COMに合わせた☆5満点で評価していこう。ただし、☆はコスパを考えているので、値段の割に良いと思えば☆が上がるし、絶対評価ではないことをお断りしておく。単純に「この機能が無いから減点」とかではないということだ。

 

 まずなぜこの機種を買ったかだが、最初ドラム式の相場が分からなかったので、家電屋に行ったところ、殆どが20万円以上で、パナソニックなんか30万を超えていたのでそんなに出せるかと思っていた。かといって、一人暮らし用におススメされた、当時のES-S7Hが10~12万円程度でお手頃だったのだが、容量が小さいなと思っていたところ、電気屋の年末年始セールでK10Bが16万円になっていて、かつ見た目が良かったので、購入したという感じ。当時はヒーター式とヒートポンプ式の違いも良く分かっていなかったと思う。

 

(1)見た目 ☆5 この値段でこの外観は素晴らしい

 見た目は前モデルのH10Gから変更され、上位モデルと同じタッチパネル式液晶が採用された。また、最上位のX11シリーズでしか選択できないリッチブラウンが左開きのみだが選択できる。筆者は当然リッチブラウンを選択した。細かい点だが、ドラム式洗濯機はドア部分がポッコリお腹のように膨らんでいて、そこがダサいのだが、このK10Bはガラスが前面にフラットに配置されていて、液晶パネルと合わせて全体的にスタイリッシュな見た目となっている。前述したように上位3モデルは前面を全て覆う形でそれはそれでカッコイイのだが、実際のところ、ドアを開いた時に洗濯カゴと干渉して邪魔だと思うのだが、K10Bはドアを開いても洗濯カゴと干渉しないので、見た目と使いやすさのバランスが非常に良いと思う。

 

実際の写真は以下のような感じ。5kg程度で洗濯~乾燥まででスタートした時の表示

 

 

(2)費用 ☆2 電力バカ食い

本体価格は安いがランニング費用は全シリーズで最も高い。

 K10Bはヒーター式を採用している。ヒーター式はヒートポンプ式と比べて本体価格が安い一方で、電力代が高い、高温なので衣類が縮みやすい(と言われる)、という欠点がある。この中で確実にファクトなは電力代なのだが、追加で水道代も高い。仕組みを良く分かっていないが、シャープのヒーター式は温風を水冷式で除湿しているせいで乾燥時にも水を使用するのだ。なので、K10Bは脱水までなら上位モデルよりも電気使用量も水道使用量も少ないが、乾燥を含めるとすると全シリーズぶっちぎりの水道使用量となる。勿論電気代+水道代もぶっちぎりだ。ここのところ、ヒートポンプ式がなぜ乾燥を含めると乾燥除きより水道使用量が減るのかはよく分からない。

 1つ上のG11Bと比べてもカタログスペックで1回40円程度差が出る。もし毎日洗濯~乾燥まですると1か月1,200円、1年で15,000円、5年で7.5万円の差がでるが、G11Bとの本体の値差は大体3~5万円程度なので、長期的に考えると、大体4年目くらいでK10BよりもG11B以上の方がお得になる

 だたし、筆者は一人暮らしなのだが、1人の1日当たりの洗濯重量は1.5kg程度らしい。それで大体筆者は3~4日に1度洗濯するのだが、それで洗剤投入量表示から換算する重量は4~5kgなので、大体1.5kgかそれよりも少し少ないくらいだろう。だとすると、1人暮らしだと上記の式が1/3になり、大体7~10年くらいでG11Bの方がお得になる。そうすると、今度は、買い替えてもいいかなと思ってくる時期なので、結局1人暮らしならあまり変わらないようにも思う。ヒートポンプ式は故障時の部品交換や分解清掃代がヒーター式よりも高いらしいし。

 それよりも問題なのは、電力消費が激しいことで、ブレーカーが落ちやすいということだ。乾燥時の電力消費は圧倒の1,880wh。我が家の電力容量は知らないのだが、K10Bの乾燥機能使用中にはプラスでレンジ+PC+エアコンが限界で、それに炊飯器だの電気ケトルだのを加えるとブレーカーが高確率で落ちる。一人暮らし用と言われるS7もヒーター式である限り同じ問題があるはずだ。もしかするとヒートポンプ式ならそうはならなかったかもしれない。

 

(3)洗濯~乾燥時間 ☆3 標準的か

 洗濯~脱水まではカタログ時間は45分、実際も40分程度だ。

 洗濯~乾燥時間については、3kg洗濯前提でカタログ150分でありこれはヒートポンプ式含めてシリーズで1番短い。実際のところ、筆者は4~5kgを洗濯するのだが、大体4kgで3時間40分、5kgで4時間30分というところで、少な目で3kgの時は2時間40分程度だった。恐らく乾燥は1時間あたり平均50分程度増していき、だんだん追加重量あたりの追加乾燥時間は漸減していく感じなのだろう。3kgで150分は理想値だと思うが、大きくは外れていない。家電の使い勝手ランキングを紹介するサイトのマイベストのランキングで前モデルのH10Gが乾燥容量の6割で5時間29分とか書いてあったが嘘だろと思う。

 ただ、なぜか分からないが、スタート時の表示時間が後で数十分単位で短くなったりしたあげく、乾いていないということが数回あった。途中でセンサーが反応して乾燥時間を短くしたのかもしれないが、余計な機能に思った。

 恐らく他メーカーと比べて時間が早い方ではないと思うので☆3にした。

 

(4)使い勝手 ☆4 全体的に良いが綿素材の乾燥には向いていない

 初めてのドラム式なので他と比べてどうかは分からないが、ドアを開いて洗濯物を投入して電源ボタンを押して、大体の場合は洗濯~乾燥までの状態でスタートボタンを押す。パネルの文字は青色や白色で明瞭に表示されるので暗くても見やすい。スタートを押すと、必要な洗剤の量が表示されるので、洗剤投入口からその量だけを投入する。我が家はアタックZEROを使用している。洗剤自動投入機能がある機種を使っている人のレビューを観ると便利としか言っていないので、あれば便利な機能だとは思うが、無くても不便には感じない。欠点があるとすれば、電源ボタンだけ押しボタン式なのだが、硬いのか押し所が悪いのか、時々反応しないことがある。

 以前に縦型乾燥機+衣類乾燥機を使ったことがあるのだが、どうしても綿素材は縮みやすいし、とにかくシワが残りやすい。なので、綿100%の衣類は洗濯のみにして別に干して乾かすか、他とは別に乾燥容量を落として乾燥させている。実際1回乾燥までさせてみたら、綿のチノパンのシワはひどいもので、アイロンがけが必須となった。まぁ綿100%でも形状記憶加工をしていてるなら、量を少なく、例えば2kg以内に抑えればアイロン無しでもシワは目立たない。ヒートポンプ式だとシワや縮みがどうかというのは分からない。マイベストの比較を見るとヒートポンプ式でも綿は縮むので、同じようなものなのだろう。

 乾き具合だが、概ね満足いくくらいに乾く。概ねというのは、例えば厚手のズボンのポケットの裏側は湿っていたことがあった。こういうのはポケットは表に出す等して工夫すべきだろう。勿論タオルは部屋干しするより断然フカフカである。シャツのような薄手の衣類が湿っていたことは全く無かった。

 洗濯~乾燥までの静音性だが、結論から言うと夜は使えない。洗濯と乾燥の騒音はそこまで大きくなく、隣と壁を接していなければギリギリ深夜でも使えるかなという感じだが、問題は脱水。10分程度非常に大きな音が出続ける。筆者は洗濯機がある部屋と寝室は2枚ドアを隔てているのだが、そこからでも轟音が聞こえるので、個人的にも絶対深夜の稼働は無理。

 洗濯機能は色々あるのだが、正直面倒であまり使っていない。洗濯のみか、洗濯~乾燥までかを選ぶ程度だ。なのでその点は評価に含めない。

 乾燥機能の評価がそんなに高くないように見えるが、じゃぁ上位機種や他メーカーが問題無いのか分からないのと、乾燥機能自体に大きな不満は無い(綿が駄目なのは元からわかっていた)ので、他の面と合わせて☆4で問題無いと思う。

 

(5)お手入れ ☆4 ドアパッキンのお手入れが面倒

 ドラム式といえばお手入れ。お手入れが必要なのは、主に乾燥フィルター、糸くずフィルター、ドアパッキンの3つ。他1か月に1回くらいは洗濯槽クリーナーでの掃除もしておいたほうが良い。

 

乾燥フィルター 良い

 K10Bには上位3モデルのような乾燥フィルター自動お掃除機能はない。これがあるとお手入れが1週間に1回程度になるらしいのだが、K10Bの場合は乾燥ごとに必要だ。洗濯機の天井部分右後方から乾燥フィルターが取り出せる。毎回のお手入れではあるのだが、フェルトのようにフィルターに張り付いた埃をティッシュで拭う程度で、すぐに剥がれるので数十秒で終わる。もしフィルター本体の埃がひどかったら水洗いもする。なので自動お掃除機能があれば便利だが、無くても困らないと思った。

 

↓1回の使用で、こんな感じでフィルターにうっすらと埃の膜ができる。

 

 

糸くずフィルター 良い

 糸くずフィルターは排水までに糸くずや埃、髪の毛等を排水溝に流さないようにするフィルターで、K10Bの場合は前面右下にある。お手入れ頻度は1週間に1回らしいが、筆者の洗濯頻度から2週間に1度程度にしている。これは少し乾燥フィルターよりも面倒で、排水路なので水で濡れているので、本当は水受けがあった方が良い。面倒なのでやっていないが。それと、ゴミが湿っているので少し取り除きにくい。ただ、K10Bは前モデルと異なり、「するポイフィルター」が搭載されている。これが何かというと、櫛状のフィルターで、フィルターの溝の前方から後方にティッシュを撫でていくと、不思議とするっと汚れがフィルターから剥がれるという仕組みだ。これはS7シリーズには搭載されていない。マイベストではK10Bが掲載されておらずH10Gのみがあるのだが、どうも前モデルは格子状のフィルタでゴミが取りにくいらしく減点されていた。この点は改良されているのでご安心下さい。

 

1回あたりこの程度のくずが残る。絡まっているように見えて意外にするっと取れる。

 

ドアパッキン 面倒

 ドアパッキンのお手入れが面倒。ドアパッキンの外側と内側に乾燥時の埃や髪の毛が溜まるので掃除が必要だ。頻度は汚れたらということだが、大体2回に1回は必要と思う。外側は衣類とも接するので、ここを掃除しないと衣類に埃が付きやすくなる。ただここは掃除しやすい。問題は内側だ。ここは殆ど目視できない。パッキンを引っ張れば下部の一部は見れるが、それ以外はどこに埃が溜まっているのか分からず、とにかくティッシュでこすっていかないといけない。それなりに埃は出てくる。更に問題なのは、それが乾燥直後はほぼできないということだ。何故かというと、乾燥直後はヒーター式なのも相まってパッキンも槽内が凄く熱い。なので乾燥直後は熱すぎてパッキンにティッシュを突っ込めないのだ。なので乾燥後しばらしてから掃除することになるのだが、結構忘れがちになる。掃除ブラシを使っても熱いことには変わりないだろう。その点、G11B以上の上位3モデルならパッキン自動洗浄機能があるので、完全メンテフリーではないらしいのだが、掃除頻度がかなり減らせるだろうから、その機能だけは欲しかった。

 

ドアパッキン自動洗浄があれば文句なく☆5なのだが、惜しいところだ。

 

3.纏め エントリーモデルとしては優秀

 

総合評価☆4

 

おそらくこんな人におススメ

・始めてドラム式洗濯機を買う人

 筆者のような初めてドラム式洗濯機を買う人間にとっては、20万円以上の冒険は怖いと思うので、エントリーモデルとしてこの機種を選ぶのは良い選択肢だと思う。機能はお値段なりのシンプルだが、ドアパッキン自動お掃除を除いて、無くて不便に思う機能は殆ど無かったので、大容量で最新式のドラム式洗濯機を10万円台で購入できるのはリーズナブルだと思う。

 繰り返しになる部分はあるが、あったら便利だろうけどなくても不便ではなかった機能は「スマホ連携」、「乾燥フィルター自動お掃除」、「洗剤自動投入」で、無くて不便だったのは「ドアパッキン自動洗浄」だ。

 

・一人暮らしで、K10Bを設置できる場所的・金銭的余裕がある人

 電気屋で店員に「一人暮らしです」というと大体S7シリーズをおススメされると思うが、場所とお金が許すならもう少し出してK10シリーズを洗濯した方が絶対幸せになれると思う。2024年4月時点でS7シリーズは前モデルのS7Hが生産終了していて、2月発売で新モデルのS7Jはまだ新製品価格の20万円以上というK10Bとの逆転が起きているので、今なら絶対K10Bである。今年買わなくても、新モデルは毎年出てるので、発売間隔が一緒なら春に買うのは絶対にS7シリーズではなくK10シリーズだと思う。そういう意味ではシャープは新生活1人暮らし狙いのアコギな商売をしているなと思ってしまった。20万円出すのなら、型落ちのX11Aをアマゾンで買った方が良いと思う。ドアパッキン自動洗浄機能無いけど。

 価格で言うと、ドラム式洗濯機は、パナソニックや日立の上位機種のような指定価格商品を除くと、結構値下がりしやすい家電だと思った。K10Bも、価格.COMによると発売当初の2023年10月は26万円超えだったのに、年末には16万円、3月決算セールで15万円までいっていた。S7Jもそのうち11万円程度になるのだろう。買い所が難しい恐ろしい家電である。

 

・デザインが好きな人

 このクラスにしてはリッチブラウン色が洗濯できたり液晶タッチパネル式だったり外観が良いので、そういうところにこだわりがある人はこの機種を選ぶのが良いと思う。

 

・ライバルは日立のBD-SG110Jになるだろう。大体値段は一緒で、洗濯容量や乾燥時間、消費電力等のカタログスペックがちょっとずつK10Bよりも高いので、買った時は検討していなかったが、そちらも見てみても良いと思う。

 

そうそう、毛布も洗濯~乾燥できるが、その場合別売りの洗濯キャップがいるので注意しよう。