今回は映画「マスカレードナイト」の感想を書こうと思います。犯人の名前は言いませんが、どうやって犯人が捕まるかは書くいているので、注意してください。
内容とあらすじは公式ホームページ参照
映画『マスカレード・ナイト』公式サイト (masquerade-night.jp)
筆者は前作の「マスカレードホテル」を劇場だ一度鑑賞済みです。
良かったところ
①導入部分の煩わしさは無い
2作目なので、登場人物紹介場面やホテルマンに扮装する過程等が殆どなく、ミステリー部分中心に進んでおり、安定感があった。加えて、木村拓哉と長澤まさみのコンビ経験だけでなく、ホテル対警察という関係もより強調されており、関係性が最初からはっきりしていた分、ミステリー部分に時間が割けていたと思う。
②怪しい客の殆どが事件に関係している
前作は絶対事件に関係なさそうな客(生瀬勝久や高嶋政宏)がいたが、今回は怪しい客の殆どが何等か事件に関係している。途中までは、「どいつが犯人だ?」的な探し方だが、結局全員が何等か関係していた。こちらの方が犯人捜しの密度が濃くなって良かった。
良くなかったところ
①前作と展開があまり変わらない
事件がコルテシア東京で起きると分かる→木村拓哉が潜入捜査する→色々怪しい宿泊客が来る→その中にはミスリード役の客がいる→客のエピソードが進む中で、その中に犯人がいる→長澤まさみがしゃしゃり出て危機に陥る→木村拓哉が助けて事件解決。仕方ないと言えば仕方ないが、水戸黄門並の代わり映えの無さである。詳細は避けるが、犯人が、一旦「別人物としての自分のエピソードを解決した」と思わせておいて、実はそうでなかった、というのも前作の犯人と一緒であった。
②ホテル側の思想が気持ち悪い
ホテル側と警察側の考え方の違いが物語に影響してくるわけだが、ホテル側の思想が極端かつズレてる感じがして気持ち悪かった。この人らなら「コロナ禍でもマスク無し、アルコール有で大人数のパーティーしたい」と客が言ったらそのまま通しそうで怖い。ホテル側は「客の要求に無理ですとは言わない」「詮索しない」、挙句の果てには「殺人犯でもここで殺人をしなければお客様」的な発想である。冒頭の明石家さんまの看板が嫌だから風船で看板の顔を隠すシーンなど、常軌を逸していると感じた。
③客層が似通っていて区別がつかない(特に女性)
私は普段でも女性の顔の区別がつかない方である。今作では、特に女性が40代前後の裕福そうな家庭の設定が多い。木村佳乃、凰稀かなめ、麻生久美子、高岡早紀の4人は正直区別つかず、名前で「誰が誰とつながりがある」とか「誰が怪しい」とか言われても全然頭に入ってこなかった。じゃぁ男性がどうかというと、博多華丸はやっぱり博多華丸で、映画の人物名で言われても「そいつって、博多華丸だっけか?」みたいな感じだった。前作は事件に関係ない客が結構いたお陰で気にならなかったが、今作は容疑者が多いために、同じ「犯人捜し」というエピソードの中で複数の名前が出てきたのでわかりにくかった。
④最後が強引
さすがに最後の展開は強引だった。参加者全員がマスクを被るために、誰が誰だか分からなくなる、というのが今回の舞台の面白いところなのに、主人公がファントムのマスクを被った犯人に「あなたの目は1回見たら忘れない」とか言ってドンピシャで当てて、その後アルゼンチンタンゴをフルで踊るのである。「時限爆弾しかけられてるのに悠長に踊ってるなよ!」と誰もが突っ込むだろう。で、ご都合主義に長澤まさみの時計が遅れていたから命拾いしたって、「なんで犯人時計持ってないの?」と思う。そもそもデジタルじゃないアナログの時計ならなおさら気を付けろよ!
総括
決して駄作ではないし、豪華キャストで安心して観てられるのだが、前作を越えたかというと、あまり変わり映えしない感じがした。時を経たら、どちらがどちらの作品か分からなくなるだろう。